あなたと初めて会ったとき
見えない糸で結ばれていることを知った
十分の一世紀
あなたが先に生まれたことなんて
夏の夜風に髪がなびくようなこと
気を引くために
私の親友を選んでしまったあなた
友情より愛欲を選んでしまった私
裏切り者となった二人
気がつけば夜のベンチで
激しく抱き合っていた
生きていて良かったと思えた日々
それは熱ければ熱いほど持続しないもの
あなたは私の人生の創作を試み
私はそれを受け入れられなかった
やがて笑顔は消え
それに耐えられなくなった私
そして破局は訪れた
晩秋の朝もやに霞むバス停
私が恋の終わりを宣言すると
あなたは目を吊り上げ
よくそんなことが言えるわねと言って
結んでいた髪を振りほどき姿を消した
それでもあなたは私にとって
生まれて初めて魂の底から微笑み合えた人
冷たかった肩
甘い髪の香り
そして月の光