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文字列の部屋

どっちが狂ってる

2001.11. 田野呵々士

もともと草しか食べないウシに
ウシの肉骨粉を混ぜた餌を与える
これを食べて病気になって暴れれば
ヒト呼んで狂牛病

本当はどっちが狂ってる
何万年もかけてウシ達が選んできた物に
突然こっそりと混ぜられた
得体の知れない物

ウシ達は何も言わないが
餌の味の違いが判らないわけがない
発病して暴れだした少数のウシ以外は
その味を生きながら耐える他はない

鳶色の大きく澄んだ瞳は今日もまた
流しようのない涙を湛え地平線を見ている
食べ物を自由に選ぶことの出来る大地に
いつの日か戻れることを待ち続けている

これがもしヒトだったらどうする
何千年もかけてヒトビトが選んできた物に
突然こっそりと混ぜられた
得体の知れない物

見た目は大豆やトウモロコシでも
中身が違っているこの時代
それを食べ続けても絶対病気にならないと
一体誰が保証してくれるのか

ヒトの遺伝子を取り出して
他の動物でヒトの体を作れるこの時代
私は絶対に共食いをしたことがないと
一体誰が誓えるのか

共食いさせられていたことを知ったヒトは
その夜どんな夢を見るのだろう
何人かが暴れだし 檻にぶちこまれる
ヒト呼んで狂人病

本当はどっちが狂ってる
本当は何が狂ってる

文字列の部屋  客間

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