同じ作物を同じ場所、同じ土で作ることを「連作」と言う。
例えば、毎年夏の終わりに同じ畑の同じ畝で大根を作ることは、典型的な連作だ。また、小松菜を春に蒔いて夏に収獲し、その直後同じ畝にまた小松菜を蒔いて育てることも連作だし、イチゴを植え変えずに何年も同じ場所に生やしていることも連作と言える。
また、プランターの土を変えずに同じ種類の野菜を栽培するのも連作だ。
連作しても問題ない野菜もあるが、ちゃんと育たなかったり病気になったりすることの方が多く、そのようなことを「連作障害」と言う。
たとえば、トマトやミニトマトや茄子(ナス)が育たない、いつまでたっても大きくならないといった現象は、この連作障害によるものが多い。
これが出る期間は野菜によって異なっており、エンドウやナス、トマトのように長いものがある一方、大根や人参、蕪などの根菜類はむしろ連作した方が、土が慣れてきて肌がきれいになり、品質が良くなるとも言われている。
ナス科の植物の場合特に気を付けなければならないのは、種類が違っていても、ナス科同士で連作すると障害が出るということだ。たとえば、トマトを作った場所で翌年ナスを栽培すると、トマトを栽培したのと同じようにそのナスに障害が出るのだ。ちなみに、ナスはもちろんのこと、トマト、ミニトマト、ピーマン、獅子唐、唐辛子、じゃが芋、ホオズキ、チョウセンアサガオ、これら皆ナス科の植物である。
どのような野菜がどのくらいの期間障害が出るのかの概略を簡単な表にまとめてみた。
問題ない | あまり影響しない | 障害が出る | 野生では障害が出ない |
---|---|---|---|
イチゴ 蕪 カボチャ キャベツ 小松菜 サツマイモ 春菊 セルリー 大根 玉葱 ニラ ネギ 人参 白菜 ラディシュ |
オクラ 胡瓜 サラダ菜 紫蘇 スイカ パセリ フキ ミョウガ メロン |
アズキ(2年) インゲン(2年) 枝豆(2年) エンドウ(5年) ゴボウ(5年) 里芋(3年) じゃが芋(2年) 生姜(2年) ソラマメ(3年) トマト(5年) ナス(5年) ピーマン(5年) ミツバ(2年) ミニトマト(5年) 落花生(5年) ヤマノイモ(3年) |
ミツバ ミョウガ ヤマノイモ |
原因はいろいろあるようだが、主に次のようなことが考えられる。
たとえば、じゃが芋を植えた土にまたじゃが芋を植える場合、その翌年と翌々年は障害が出るので、2年間はそこにナス科以外の作物を植えるか休耕するかして、3年目にまたじゃが芋を植えれば障害が出ない。
これは畑だけでなく、プランターの土でも同じことが言える。例えば、ベランダのプランターのミニトマトが育たなかったり、原因不明の病気になったりするというとき、その土で過去5年間にナス科の植物を栽培したかどうかをまず調べて、もしそうであれば、障害の出ない場所に植え替えるか、ナス科を栽培していない土に取り替えて植え替えれば、この問題は解決する。