魚のアラとは、魚の身を取った後の骨に、まだ少し身が残っているもののことを言う。
我が家では、何と言ってもまず刺身で、それ以外の部分はブリのアラ鍋にしている。その他にも、いろいろと使い道がある。
油分の少ない上品なだしが取れるので、水炊きなどの鍋物にはうってつけ。
ブリと同じような使い方ができる。上右は、そこから抽出した刺身。
元から比較的骨が柔らかいので、よく火を通せば背骨まで食べられるようになる。
新巻鮭のアラは塩がきついので、あらかじめ真水に漬けて塩抜きをする。
三枚におろした鯵や鯖の中落ちは、焼いておけば身がほぐれ易くなるので、醤油を掛ければ酒のつまみになる。
煮ておけば、その汁は味噌汁などのだしに使える。
それらで残った骨やだしがらは猫の餌になるので、捨てる部分が全く無い。
イカの胴体以外の部分のことをゲソと言う。厳密には魚のアラではないが、刺身やフライは主に胴体が使われてゲソは商品価値が下がるので、その点ではアラと同じだ。
内蔵や口を取った状態になっており、皮を剥かなくてよい料理にはすぐに使えるので便利だ。パスタや天麩羅などに使える。
私は刺身は好きだが、我が家の経済事情からすると正規の値段ではとても買えない。しかし、閉店間際のスーパーで鮮度が落ちた刺身を半額で買うのなら、大きな魚の新鮮なアラを買って来て自分で刺身に加工することにしている。そうすると手間は掛かるが、市価の5分の1から10分の1の価格でご馳走にありつけるのだ。
ただし生で食べることになるので、そのアラは必ず新鮮なものでなければならない。「お刺身用」とか「生食用」と銘打って売られているアラはまずないので、それによって食中毒を起こしても、誰にも文句が言えないからだ。今のところそのようなことになったことは一度もないが、念のため。
新鮮なブリかメジマグロのアラ。特に腹骨の間から良質の刺身が取れる。