天麩羅(てんぷら)
2005.05.09
更新 2011.05.08
ニンジン、タマネギ、タマネギの芽の掻揚(かきあげ)
上がフキノトウ、下が椎茸
天麩羅の語源には、いくつかの説があるようだが、いずれにせよポルトガル語かスペイン語なのだそうだ。それが伝来してから400年以上たった今では、もう完全に日本料理となっている。
採りたての山菜や畑の野菜などを用いて、我が家ではたまにその天麩羅を作って食べる。自分で言うのもなんだが、それがけっこういけるのだ!!!
調理器具
- 鍋
天麩羅専用の鍋というものがあって、毎日のように天麩羅を揚げている飲食店ではそれが必要だと思う。しかし、年に数えるほどしかしない我が家では、他の鍋でそれを代用している。厚めの鉄鍋なら何でも良く、我が家では中華鍋やインド製のステンレス鍋を主に使っている。すき焼き用の鍋も良いだろう。なぜ厚めの方が良いかというと、材料を入れたときに油の温度変化が比較的少ないからだ。
- 油きりバット
やはり、専用のものがあればそれに越したことはないが、我が家では新聞広告のような紙の上に魚の焼き網を乗せて代用している。
- 菜箸
- 天カスすくい
- キッチンペーパー
唐揚もそうだが、天麩羅の場合特に、揚げた直後に衣の油分をしっかり吸い取っておかないと、ベタベタしてあまり美味しくなくなる。最初は紙の使い捨てに対して抵抗があったが、こと天麩羅に関して、私はこれをちゃんと行なうことにしている。そうしないと、わざわざ自宅で揚げたての天麩羅を食べる意味がなくなるので。
使った後の紙は、風呂で燃やしたり七輪の焚き付けにしたりしている。
材料(4人分)
- A {鰹と昆布のだし汁4:醤油1:味醂1}
天つゆ用の調味料。
- B {大根、生姜各適量}
天つゆの薬味。
- 天麩羅油などの植物油適量
量は鍋の大きさによる。材料を入れたときに油の温度が下がりにくいので多めの方が良い。
- C {薄力粉1カップ、冷水1カップ、卵1個}
天麩羅のコロモの材料。
- 4人分の食材適量
山菜、野菜、キノコ、肉、魚、この世の固体の食材で天麩羅にならないものは無いかもしれない。
我が家では、食材が比較的豊富な春先に、それらを天麩羅にして食べることが多い。ここでは野蒜、タラの芽、アサツキ、椎茸、白菜の菜の花、ヨモギ、玉葱、タケノコ、じゃが芋、甘蝦、鯵に登場してもらった。ちなみに、玉葱以外の植物は全て自家製または自宅近辺で採取。
下拵え
- 天つゆを作る
Aの調味料を鍋に入れ中火にかけ、一煮立ちさせて火を止める。
- 薬味を作る
Bの皮を剥いてすりおろす。大根おろしの水気をきり、生姜とは別々に小鉢などに入れておく。
- 食材を切る
じゃが芋とタケノコは皮を剥き、タケノコの灰汁抜きが必要ならしておく。材料を洗って、食べやすい大きさに切る。鯵は腹を割いて、鰓と内蔵を除去しておく。甘蝦は、揚げれば丸ごと食べられる。
- コロモを作る
丼などの容器にCの材料を入れ、ざっと混ぜ合わせる。小麦粉はあらかじめ、ふるいでふるっておくと、ダマになりにくい。また、あまり掻き回し過ぎるとコロモに粘り気が出てしまう。そうすると、食べたときのあの「サクサク」感がなくなってしまうので注意する。
天麩羅の揚げ方
- 鍋を中火にかけ、油を注いで熱する
- 油の温度を調べる
170~180度が揚げ頃。大まかな油の温度の見方は、菜箸にコロモを少量付けて油に落とし、それが鍋の底まで沈まず、途中から泡を立てて浮かんできたらOK。コロモが油の表面でパッと飛び散るようなら、温度が高過ぎるので、火を止めて温度が適温まで下がるのを待つ。
- 衣を付けて揚げる
動物性の食材から出る脂肪で脂が汚れるので、植物性の食材から先にコロモを付けて揚げる。鍋の縁から滑り込ませるようにして入れると、油がはねるのを防げる。一度に沢山入れると、油の温度が急激に下がってしまうので、油の表面積の60%くらいに留めておく。
- 頃合を見て二回ほどひっくり返す
甘蝦は、ごくたまに胴体が破裂するので、油のはねに注意。植物性の食材は、あまり火を通し過ぎないこと。肉や魚は、泡が出なくなったら火が通ったということ。いずれにせよ、表面はサクッと、中はふっくらと揚げるのがコツ。天カスは小まめにすくうこと。
- 鍋から取り出して油を切る
油切りバットまたは、右の画像のようにしてキッチンペーパーを敷いた網などの上に、なるべく重ならないようにして並べる。その際、縦に置くと油がきれやすい。
- 盛り付ける
油がきれたら、熱いうちにキッチンペーパーなどの紙を敷いた皿に盛り付けて出来上がり。
左の皿:左からタラの芽、椎茸、ヨモギ、白菜の菜の花。中の皿:タケノコ、じゃが芋、甘蝦、鯵。右の皿:上から玉葱、野蒜、アサツキ。
食べ方
- 天つゆを小鉢に入れ、そこにまず薬味を入れる。そして、揚げたての天麩羅を付けて食べる。
- それに飽きたら、酢醤油に付けてもいける。
- それにも飽きたら、マヨネーズをかけて食べるという手もある。
だいどころ 客間