モウソウチクやハチク、ホテイチクのタケノコは、新鮮なら灰汁(あく)抜きせずに調理して食べられる。
しかし、タケノコというものは、人間の都合に合わせて毎日一本ずつ出てくれるようなものではなく、「雨後の筍」という言葉の通り一挙に出現するものだ。
これが大きくなり過ぎると、硬くて食べられなくなるし、収穫したらしたで、時間の経過と共に苦味が増してきて、灰汁抜きしなければ食べられなくなってしまう。
この問題を解決するには、まず収獲したタケノコが新鮮なうちにまとめて茹でてしまい、それ以上鮮度が落ちることを止める。次に、苦味成分が増えることを防ぐために、それを水に浸ける。そして、腐敗を遅らせるために冷蔵庫に入れて保存しておく。そうすれば、慌てて一度に全部腹に詰め込む必要もないのである。
以前、茹でたものを試しに冷凍して解凍してみたところ、ふにゃふにゃのスポンジ状になっていて、とても食えた物ではなかった。冷蔵はしても、くれぐれも冷凍しないように。
また、加熱すれば苦味が増えるのを防げると誤解していた頃、油で揚げたものを容器に入れて冷蔵庫で保存していたら、その日は何ともなかったが、3日もすると苦くて食べられなくなった。つまり、たとえ加熱しても苦味成分は増加するということなので、保存の際は必ず水に浸けるなどして空気に触れさせないことだ。
以下の表は、収穫に適したものを灰汁抜きせずただ水で茹でて水から出し、空気に触れさせておいた場合。収穫に適した長さを超えたものはどれも、たとえ収穫直後であっても苦い。
種類(収穫に適した 地表からの長さの限界cm) | 収穫後1時間以内 | 6時間後 | 12時間後 | 24時間後 |
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モウソウチク(30) | ほとんど無し | やや苦い | かなり苦い | 猛烈に苦い |
ハチク(60) | 無し | ほとんど無し | やや苦い | かなり苦い |
ホテイチク(40) | 無し | ほとんど無し | かなり苦い | 猛烈に苦い |
マダケ(40) | 苦い | かなり苦い | 猛烈に苦い | 猛烈に苦い |
やや苦いは、食べながら『まあいいか……』と耐えられるが、苦い以降は必ず灰汁抜きをしてから調理しないと、その料理を失敗させることになる。
タケノコの灰汁抜きのしかた |
水道水に含まれている塩素には殺菌効果があるので、2~3日おきに水を替えれば10日くらいはもつ。