蕨(ワラビ)の灰汁(アク)抜き
2004.05.21
更新 2012.05.18
灰汁抜きを終えたワラビ
ワラビは日本の代表的な山菜の一つだが、かなり灰汁が強いので、灰汁抜きしなければ食べられない。
重曹による方法と、木灰による方法がある。
町に住んでいれば、重曹は近くの薬局などから簡単に手に入れることができるだろう。しかし我が家は山の中にあり、日常的に薪で調理しているので、もっぱら木灰を使っている。
但しそれには、紙やプラスチックなど人体に対して有害と思われる灰が混入していてはならない。また、以前豆炭の灰を畑の肥料にしたら野菜が枯れたし、山に捨てたらそこに生えていた植物も枯れてしまった。これは生物にとって良くない成分が入っている証拠だ。そのため、そのような練炭系の灰が混ざっていない、純粋な木または木炭の灰でなければならない。
木灰による蕨(わらび)の灰汁(あく)抜きの仕方
- ワラビをバットなどの平たい容器の中に、向きを揃えて平らに敷く。
- ワラビ一掴みに対して木灰一掴みの割合で、木灰をワラビの上になるべく均等にふりかける。
- その上から熱湯をワラビに満遍なくかかるようにして、ひたひたになるまで注ぐ。
- 蓋をせず、そのまま放置する。
- 6~8時間後に水洗いして新しい水にさらし、2~3時間おきに2回その水を替える。
その後の保存
一般家庭なら次の方法で保存するのが簡単だ。いずれも料理に必要な分だけその都度取り出して使う。
- 冷蔵
タッパなどの容器に移し、新たな水に漬けて蓋をして冷蔵庫で保存する。日本の一般の水道水には塩素が添加されており、それによる殺菌効果のため、3~4日おきに水を替えれば、冷蔵庫内で10日間くらいはもつ。
- 冷凍
生の食材を冷凍すると、シャキシャキといった歯ごたえが損なわれてしまうものだが、ワラビの場合は解凍してもそれはあまり変わらない。しかし、細胞が壊れて水が出てしまうので、プリプリ感は失われる。
左が灰汁抜きしただけのもの。右はそれを一旦冷凍して解凍したもの、水が出て皺になっている。
長期保存が必要な場合はそれを覚悟の上で、水を切った灰汁抜きワラビをビニール袋に入れて冷凍する。小分けしておくと便利だ。
だいどころ 客間