アカガエル科・アオガエル属。学名:Rhacophorus arboreus。
体長メス約7cm、オス約6cmと、メスのほうがやや大きい。体の色は、住む場所によって変化する。足の吸盤が発達し、指の間には水掻きがある。瞳は扁平である。
シュレーゲルアオガエルと似ているが、それよりもこちらの方が大型で、体に褐色の斑点があるので見分けが付く。但し、斑点の無い個体もあるそうだ。
普段は主に樹上で生活しているようだが、梅雨に入る前頃になると、我が家周辺の池などで、オスが大きな声だがなんとなく遠慮がちに鳴き始める。
姿同様、これもシュレーゲルアオガエルのものとよく似ているが、こちらは鳴き終わり特有のフレーズがあるので、その違いがわかる。
やがて、その声によってそこにメスがやって来ると、その水場の縁や、その上に覆い被さっている植物などにつかまって交尾し、メスが卵隗という真っ白な泡の塊りをそこに作って、その中に産卵する。
産卵が終わるとメスはさっさとどこかへ行ってしまうが、オスはその場に残り、再びメスを誘うために賑やかに鳴くこともある。上右の画像の二つの卵隗の後ろに、もう一つの卵隗があるので、ここが縄張りのこのオスは、そのようにして3匹のメスと交尾したことになる。
孵化が近付くと、この上の画像のように卵隗は変色してしぼんみ、そこから黄色い卵がはみ出してくる。卵隗の上に張り付いている茶色の大きな物体は枯れた竹の葉なので、この卵の大きさの目安になると思う。このような無防備な卵は、小さなアリに食べられてしまうこともある。
このオタマジャクシは、蚊の幼虫であるボウフラを食べるし、カエルになると蚊や蝿の成虫を食べてくれる、我が家にとってまことに有り難い存在だ。