別名「アブラムシ」。しかし、ゴキブリのことを「アブラムシ」と呼ぶ人もいて混同するので、我が家では「アリマキ」と呼んでいる。
分類上はセミやカメムシの仲間なので、それらと同じように植物の汁を吸って生きている。特に新芽などの柔らかい部分に付くことが多い。成虫には羽があるので、それを使って移動することも出来る。大量に付いた場合には、その植物の生育を著しく妨げることもある。
蟻との共生関係をご存知の方は多いだろう。その関係を見ると、牧畜のようなことをするのは人間だけではないということがわかる。蟻はアリマキがお尻から分泌する甘い汁を得る代わりに、アリマキをテントウムシなどの天敵から守り、必要があれば自分の巣へ運んで安全を確保することもあるそうだ。
蟻によって身を守られているせいか、アリマキは殆ど無防備の虫だ。羽も体もとても柔らかく出来ていて、ちょっと摘んだだけで、すぐに潰れてしまうし、武器なども持っていない。ちょうど豚や羊のようなものだ。羊はアリマキに比べると家畜化されてからまだ日が浅いせいか、武器である角がまだ完全に退化しないで残っている。
蟻との共生関係が、いつどのようにして始まったのか、私達人類は、ただ想像を廻らせるしかない。