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パソコンの部屋

その6 Linux 夏の陣

2008.10.9.
2008.12.31. 更新

勝手な接続

 パソコン4代目を買ったのはいいが、困ったことが生じた。パソコンを起動するたびに、Windows がインターネットに勝手に接続して、勝手にハードディスクを回すのである。これは、Windows Me を自分でインストールした3代目では無かったことで、実に気味の悪い現象だ。
 その接続先はいくつか考えられる。まずは、60日間無料でプリインストールされているウイルス対策ソフトだ。私は試しに、これをアンインストールして、次に疑わしい、Windows 自動更新も無効にした。すると勝手な接続は、かなり減少した。
 これらのプログラムは、ユーザのパソコンを少しでもウイルスから守るというサービス精神によって提供されているものなのであり、その気持ちには感謝する。それには、システムを手動で更新することにより、そのサービスに応えている。そうすれば Windows だって、何をダウンロードして何をインストールしているかということを、ある程度把握できるからだ。
 ところが、持ち主の指示無しにコンピュータが外部と繋がって、わけのわからない情報を遣り取りするということは、私の感覚からすると生理的に受け入れられないことだ。
 例えば、我が家のノートパソコンの画面が、一定の時間が来ると勝手に真っ暗になることは許せる。なぜなら、私自身がそのように設定しているからだ。また、たとえパソコンが外部と勝手に接続したとしても、そのログをちゃんと作って、通信した相手とその内容の詳細を私に対して公開してくれればまだ許せる。
 ところが、外部のマシンや人間と、私の知らぬ情報をパソコンが勝手に遣り取りしてもらっては困る。そんなことを許せば、気が付かないうちに、OSやセキュリティーソフトのメーカーなどが、インターネットを通じて入り込み、このコンピュータを管理してしまうということだって有り得るのだ。SFみたいな話しだが、今回のことは正にその兆候を示している。これは、世間で当たり前のことではあっても、我が家では通用しないことなのだ!
 そこで私は、そのような中身の見えないOSではなくて、持ち主がちゃんと管理することの出来るOSを導入することを試みたのであった。これが、我が家の「Linux 夏の陣」となったのである!

Linux の導入

 冬の陣のときに懲りていた私は、もう古い雑誌の付録CDは使わなかった。ブロードバンドによって、大量のデータを一挙にダウンロードすることが出来るようになったので、無償で配布しているディストリビューションの草分け的存在である Debian GNU/Linux のサイトから、直接入手することにしたのだ。
 前回色々と頭を打って得た教訓によって、「今回はすんなりといった」と言いたいところだが、ほぼ納得できるところに漕ぎ着けるまで、3ヶ月も掛かってしまった! 私の無知やドジが影響したことも大きいが、私には本やマニュアルに書いていないことを試してみるという悪癖があるため、普通の人が通らないような道に入ってあれこれ悩んだりもするのである。そのためこの間には、カーネルを変えたりしてみたので、何回もインストールをやり直した。カーネル(kernel)とは、OSの基礎となっているプログラムのことで、ハードウエアとソフトウエアを繋ぐ重要な役割を果たしている部分だ。
 しかしその結果、勝手に接続するIPの正体がわかってきた。Linux には「whois」というコマンドがあって、そこにIPアドレスを放り込むと、それがインターネットのデータベース上にある限り、その正体を明かしてくれるのだ。例えば、「65.55.184.61」というアドレスを調べると、次のような結果が返って来る。

OrgName:    Microsoft Corp 
OrgID:      MSFT
Address:    One Microsoft Way
City:       Redmond
StateProv:  WA
PostalCode: 98052
Country:    US

NetRange:   65.52.0.0 - 65.55.255.255 
CIDR:       65.52.0.0/14 
NetName:    MICROSOFT-1BLK
NetHandle:  NET-65-52-0-0-1
Parent:     NET-65-0-0-0-0
NetType:    Direct Assignment
NameServer: NS1.MSFT.NET
NameServer: NS5.MSFT.NET
NameServer: NS2.MSFT.NET
NameServer: NS3.MSFT.NET
NameServer: NS4.MSFT.NET
Comment:    
RegDate:    2001-02-14
Updated:    2004-12-09

RTechHandle: ZM23-ARIN
RTechName:   Microsoft Corporation 
RTechPhone:  +1-425-882-8080
RTechEmail:  noc@microsoft.com 

OrgAbuseHandle: ABUSE231-ARIN
OrgAbuseName:   Abuse 
OrgAbusePhone:  +1-425-882-8080
OrgAbuseEmail:  abuse@msn.com

OrgAbuseHandle: HOTMA-ARIN
OrgAbuseName:   Hotmail Abuse 
OrgAbusePhone:  +1-425-882-8080
OrgAbuseEmail:  abuse@hotmail.com

OrgAbuseHandle: MSNAB-ARIN
OrgAbuseName:   MSN ABUSE 
OrgAbusePhone:  +1-425-882-8080
OrgAbuseEmail:  abuse@msn.com

OrgNOCHandle: ZM23-ARIN
OrgNOCName:   Microsoft Corporation 
OrgNOCPhone:  +1-425-882-8080
OrgNOCEmail:  noc@microsoft.com

OrgTechHandle: MSFTP-ARIN
OrgTechName:   MSFT-POC 
OrgTechPhone:  +1-425-882-8080
OrgTechEmail:  iprrms@microsoft.com

# ARIN WHOIS database, last updated 2008-10-26 19:10
# Enter ? for additional hints on searching ARIN's WHOIS database.

 赤で示した部分を見ても明らかな通り、これはマイクロソフト関係のアドレスだ。しかも、その「NetRange:」という項目をみると、IPアドレスの「65.52.0.0」から「65.55.255.255」は、マイクロソフトが使っているということまでわかってしまう。これが標準で装備されているとは、やはり Windows とは一味違っている。そこがまた私は気に入った。
 このソフトを使ったり、検索サイトで調べたりして、私は次のような結果を得ることが出来た。

勝手に接続するIP一覧
アドレス名称説明
65.55.184.61マイクロソフト多分、Windows 自動更新のためのものだと思う。
65.55.184.189同上同上
117.121.254.201Limelight Networks Asia PacificLimelight Networks は、コンテンツ・デリバリー・ネットワーク(CDN:content delivery network)のリーディングカンパニーの一企業だが、その Asia Pacific 支社があることは調べてもわからなかった。
203.77.186.248apnic.netアジア・太平洋地域の各国のNICやインターネットサービスプロバイダへのIPアドレスの割り当てを行なう機関。
216.231.200.220iPass国際ローミングサービス
216.239.111.250GRIC米GRICコミュニケーションが提供するローミングサービスの総称。
239.255.255.250WindowsUPnP 機器を探すために送っているパケット。

 3番目のものは何となく怪しいが、その後アクセスは無いので、この問題は一応片付いた。

 私は、Debian で使えるデスクトップの、「GNOME」「KDE」「xfce4」の三つを試してみた。
 「KDE」は、さまざまな設定が可能な点で優れているが、私にとってはそのような機能が多過ぎて使い難かった。
 「xfce4」は簡素な点が良いが、動きがやや不安定でエラーが多い。
 このうちで、「GNOME」が私には最も使い易かった。
 それでは、私がそのデスクトップ環境を導入する際に成功した一例をご紹介することにしよう。その前にまず、Debian とは何かを大体把握しておくのも良いかもしれない。
Debian 公式サイト http://www.debian.org/
DEBIAN JP Project http://www.debian.or.jp/(こっちの方が日本人にはわかり易い説明をしている)

図解! Debian GNU/Linux と GNOME デスクトップをインストールした過程

必須条件:ADSLなどの高速インターネット接続、CDが書き込めるドライブ
※ご注意 お使いのハードウエアとカーネルとの関係により、OSをインストールする際の各種設定は異なるので、ここに掲載している情報は我が家での一例にしか過ぎません。これを模倣したことが原因で、あなたのコンピュータに何らかの不具合が生じたとしても、このサイトではそれに対する責任を一切負えません。
 OSのインストールは、ご使用のコンピュータのことをしっかりと把握された上で、ご自分の責任において行ってください。

これに使用したマシンの主なスペック
CPUIntel Celeron 550, 2GHz
System Memory1526MB DDR2
Hard Disc80GB
光学ドライブスーパーマルチDVD±RW(DL対応)
LCD Monitor15.4型 Ultrabright
Network/Modem10/100 Mbps Ethernet LAN
802.11b/g Wiless LAN
56K ITU V.92対応FAX Modem
Medium ManagerxDピクチャーカード、SDメモリーカード
メモリースティック、メモリースティックPro
マルチメディアカード対応
PortUSBx4, VGAx1
Oprating SystemWindows XP Home Edition

  1. 「インターネット経由の Debian GNU/Linux のインストール」のページへ行く。
    http://www.debian.org/distrib/netinst
  2. 「小さなCD」という項目の中から、使っているコンピュータに合ったファイルをダウンロードする。
    PC/AT 互換機、つまり Windows が標準でインストールされているマシンなら、「i386」が幅広く使えるはずだ。もしCPUが i686 系であったとしても、インストーラーがそれを自動的に検知して、そのマシンに合ったカーネルをインストールするようになっているようだ。
    但し「amd64」をサポートしているマシンでこれをインストールすると、時刻を9時間進めて設定してしまうという問題が生じる。また、「amd64」を選択する方がパフォーマンスが向上するとのことなので、今回は「debian-40r4a-etchnhalf-amd64-netinst.iso」をダウンロードしてインストールしてみた。
    ちなみに、「PowerPc」という選択肢もあるので、Mac にも対応しているようだ。
  3. ダウンロードした *.iso ファイルを空のCDに焼く。
  4. そのCDをCDドライブに入れ直すと、まず言語を選択するダイアログが開く。「Japanese」を選択して「OK」をクリックすると、ライセンス契約同意のダイアログが現れる。その本文は英語だが、短くてわかり易いので、頑張ってそれを読んで同意したなら「同意する」をクリックすると、英語の HTML マニュアルが自動的に起動する。それを閉じると、インストーラーをコンピュータにインストールするためのダイアログが現れるが、これはキャンセルしても構わない。インストールが終われば、どうせそれをアンインストールすることになるが、CDから直接インストールすれば、その手間が省けるからだ。
  5. このCDを入れたままでコンピュータを再起動させ、BIOSの設定に入り、「BOOT]の項目で、「CD-ROM」を一番上に持って来る。
  6. 設定を保存して抜けると、CDの中のインストーラーが起動して自動的にインストールを始める。
    インストールの最初の画面 言語の選択
    インストールの最初の画面 Install での言語の選択画面
    • この最初のメニュー画面の一番上の「Install」が選択された状態で、そのまま「Enter」キーを押せば、キーボードからの入力による標準インストールが始まる。
    • 「Graphical Install」を選択すると、マウスを使った GUI 環境でのインストールが始まる。このモードには、「Screen Shot」という機能があって、画面左下のボタンをクリックすると、その時表示されている画面が *.png ファイルとして特定のフォルダに保存され、インストールの過程で自分が何を選択したのかを後から見ることが出来るようだ。DEBIAN JP Project でも、それによって説明しているので、ここでは敢えて通常のインストールによる説明をしてみようと思う(無意味かも)
      また、インストールが終わってから「dpkg-reconfigure」というコマンドを使えば、各種設定を確認したりやり直したりすることも出来る。
    • 「Advanced options」に入ると、インストールのモードを選ぶことが出来る。
    • 「Help」では、インストールの細かい設定に関する説明がしてある。
    インストールの最初は英語だが、すぐに言語の選択画面が現われるので、そこで「日本語」を選択すると、そこからは日本語の表示に切り替わる。あとはコンピュータがしてくる質問に答えたり、指示に従っていけば良い。
  7. 一つのディスクの中で Linux を他のOSと共存させる場合、インストール最大の難関は「ディスクのパーティショニング」だろうと思うので、ここではそれに重点を置いてご紹介する。

    Linux だけなら、一番上を選択すれば、コンピュータが自動的にセッティングをするが、他のOSと共存させたマルチブートにするには、それなりのパーティションの設定が必要だ。それには一番下の「手動」を選択する。但し設定を誤ると、既にインストールしてある他のOSやファイルなどを消失してしまうので、ある程度の予備知識と慎重さが必要だ。
    「手動」を選択すると、このような画面になる。以下これを「パーティションテーブル」画面と呼ぶ。

    この中の「パーティショニングについてのヘルプ」に入ると、このようなメッセージが現われるので、ある程度参考になると思う。

    ちなみに、Linux をインストールする前の我が家の4代目パソコンのパーティションの状態は、次の通りになっていた。

    この赤で選択されている「8.論理 46.5GB」は現在使われていないパーティションなので、この一部に Linux をインストールすることにする。もしここに何らかのファイルが入っていたら、それは全部きれいさっぱりと消えてしまうので、あらかじめ別のパーティションに移しておかなければならない。
    ここで使われている記号などについて、ある程度説明しておこう。
    • 「SCSI」で始まる行は、ディスクドライブ全体の情報で、「名称 - 容量 メーカー名」という順で記載されている。
      これが三行あるということは、このコンピュータで認識されているドライブが三つあるということだ。
      この中の「SCSI3」は、Windows XP では IDE という規格のハードディスクとして認識されるのだが、Linux だとなぜか SCSI デバイス(機器)「sd」として認識されてしまう。でも、ちゃんと動いているから問題はないようだ。その「sd」の末尾の「a」「b」「c」という文字は、認識されたディスクドライブの順番を表している。
    • 「2.」とか「1.」の数字で始まっている行は、そのドライブの中のパーティションに関する情報だ。
      • 「基本」とか「論理」とかはパーティションの種類のことだ。一つのドライブの中で「基本」は四つまでと定められており、それ以上増やそうと思えば、その中の一つを「拡張パーティション」にして、それを「論理」パーティションとして切っていくことになる。その数は無制限だ。
        「sda」では、ここに表示されていない「3.」が、「拡張」となって各「論理」に分割されているということになる。また「sdb」のパーティションは、「基本」一つだけになっている。
      • その次に記載されている数値が、その容量だ。ここではGB(ギガバイト)単位になっている。
      • その次の「B」という文字は「起動フラグ」で、この文字が付いているパーティションからコンピュータを起動させることになる。
      • その次の「fat32」とか「ntfs」とかは、Windows のファイルシステムの名称なので、これらの領域は現在 Windows が使えるようになっているということだ。
    新たなパーティションの作成の仕方:
    • 「パーティションテーブル」画面で、空のパーティション(ここでは「sda8.」)を選択して「Enter」キーを押すと、「パーティション設定」画面になるので、「パーティションの削除」を選択する。以下、『「Enter」キーを押す』は省略する。

      この場合、前にも述べた通り、この中のデータは全て消失するので注意すること。
    • 削除されたパーティションが「空き領域」になったので、それを選択する。
    • 「空き領域の利用方法」の中から「新しいパーティションの作成」を選択する。
    • 「新しいパーティションのサイズ」画面になる。
      「ヘルプ」にもあったが、「マウントポイント」の「/」パーティションは必ず必要で、その他に「スワップ領域」というパーティションも必要になってくる。これは、メモリーの中のデータを一時的に格納するための場所だ。サイズは、「搭載した RAM の量の1から2倍」または「128MB から 2GB」と Debian リファレンス第3章に書いてある。Linux を初めてインストールする場合は、この二つだけにしておいた方が無難だ。

      ここでは半角文字で、「15.5 GB」と入力する。
    • 「タブ」キーを押して「続ける」を選択すると、「新しいパーティションの場所」画面になる。

      「先頭」を選択すると、現存しているパーティションの後ろにこのパーティションが追加され、「末尾」を選択すると「空き領域」の一番最後に作成される。
    • 次に、「基本」にするか「論理」にするかを尋ねられたら、「基本」を選択する。
      Linux は、「論理」からでも起動するが、OSはなるべく「基本」から起動させることが基本だ(笑)
    • 再び「パーティションテーブル」画面に戻るので、新たに作られたパーティションを選択すると「パーティション設定」画面になる。その「利用方法」が「ext3 ジャーナリングファイルシステム」になっているかを確認し、もしなっていなければこれを選択する。Linux で、最も一般的なファイルシステムだ。

    • 「このパーティションの利用方法」画面になるので、一番上の「ext3 ジャーナリングファイルシステム」を選択する。

      ちなみに「ext2」は、一世代前の Linux のファイルシステムだ。
      再び「パーティションの設定」画面になるので、「マウント・ポイント」が「/」になっているかを確認し、なっていなければこれを選択する。
    • 「このパーティションのマウントポイント」画面になるので、一番上の「/ - ルートファイルシステム」を選択する。
    • 「パーティション設定」画面になる。もし、このドライブの中に他のOSが無ければ、「起動フラグ」を選択して「オン」にしておく。

      「パーティションのセットアップを終了」を選択する。
    • 「パーティションテーブル」画面に戻るので、「空き領域」を選択し、先ほどと同じようにして「新しいパーティションの作成」を選択する。
    • 「新しいパーティションのサイズ」画面で「スワップ領域」にふさわしい値を入力する。ここでは「1 GB」と入力した。
    • 「続ける」を選択すると「新しいパーティションの場所」画面になるので、先ほどと同じようにして「末尾」を選択する。
    • 「パーティションの設定」画面で「利用方法」を選択し、「このパーティションの利用方法」画面で「スワップ領域」を選択する。
    • 「パーティションの設定」画面で「パーティションのセットアップを終了」を選択すると、「パーティションテーブル」画面に戻る。

      ここまでは、何度もやり直しが効くが、一旦「ディスクへの書き込み」をしてしまうと、もう後には戻れないので、自分の設定に間違いないかどうかをよく確認する。
      ちなみに、Debian に慣れてきて各ディレクトリに入るデータの量が大体わかってくると、次のようにパーティショニングすることも出来る。

      パーティションの並びと番号が合っていないのは、行き当たりばったりで衝動的な私の性格に起因するものなので、この通りにしてはいけない。エラーにはならないが、インストール後に「fdisk」などを実行すると、「パーティションの順番と番号が合っていない!」という意味のメッセージが出るだけだ。
      さて、このように主要なディレクトリを独立させておくと、必要なファイルを探す時間が短縮されるので、その分パフォーマンスが上がることになる。しかしその反面、その空き容量がなくなってしまった場合には、それ以上そこにファイルを書き込めなくなってしまうので、先にも述べた通り、最初は「/」と「スワップ領域」だけにしておいた方が無難だ。そうすれば、必要なディレクトリは全て「/」の中に自動的に作成されるからだ。
    • 設定に間違いがないことを確認したら、「パーティションテーブル」画面の一番下の「パーティショニングの終了とディスクへの書き込み」を選択する。

      すると、このような確認の画面になる。

      「はい」を選択すると、この設定がディスクに書き込まれる。先にも述べたように、もう後には戻れず次の段階へと進む。
  8. インストールの中盤に入ると現れるのが「ソフトウエアの選択」だ。難関ではないが、これについても少し説明しておきたい。
    ソフトウエアの選択
    この画像では見えにくいので、それを次にテキストで記すことにする。
    [*] デスクトップ環境
    [ ] ウェブサーバ
    [ ] 印刷サーバ
    [ ] DNSサーバ
    [ ] ファイルサーバ
    [ ] メールサーバ
    [ ] SQL データベース
    [*] ラップトップ
    [*] 標準システム
    頭に「*」印が入っているのが選択されている項目で、今回のインストールの初期設定では、このようになっていた。
    まず必要不可欠なのが、「標準システム」。あとは、自分の用途に合わせて選択すればいい。
    ちなみに、「デスクトップ環境」を選択すると、 GUI に必要な「X Window System」と、「GNOME」というデスクトップに加えて、それに付随したさまざまなアプリケーションのファイルがダウンロードされる。ゲームやオフィスのソフトは必要ないという人は、「標準システム」だけにしておいて、後から「X Window System」と「GNOME」デスクトップの必要なパッケージだけインストールしていくことも出来る。しかし、膨大なパッケージのどれが何に必要なのか最初はわからないので、一度は「デスクトップ環境」をインストールしてみるのも良いだろう。また、「GNOME」が好きでないという人は、やはり「標準システム」だけにしておいて、後から「KDE」とか「xfce4」といった別のデスクトップをインストールすることも出来る。ダウンロードを何度かやり直しても、悪意によるものでなければ怒られたりしないから大丈夫だ(笑)
    ちなみに、「標準システム」と「ラップトップ」だけ選択しても、デスクトップは表示されない。
    今回のインストールでは、上に記したような初期設定のままでやってみることにした。
    「続ける」を選択すると、ソフトウエアのダウンロードが始まり、それに続いてそのインストールが行われる。
  9. 次に説明しておきたいのが、デスクトップの解像度だ。「ソフトウエアの選択とインストール」の途中で、次のような画面になる。

    初期設定では「1024x768」「800x600」「640x480」の三つにチェックが入っていたが、そのパソコンのディスプレイで表示できる最高の解像度以下で必要と思われるものにチェックを入れておくと、OS起動後にそれを選択することが出来るようになるはずだ。私は「1280x800」にもチェックを入れておいた。
  10. 最後に現れる設定は、システムの起動に関する非常に重要な項目だ。また、これを書き込むことによって、他のOSと Linux の起動を選択することが出来るようになる。

    「はい」を選択するとそれは実行され、間もなくインストールCDが自動的に「eject」されて、システムを再起動するように促されるので、そのメッセージに従う。
  11. 再起動して間もなく、次のようなメニューが現れる。

    この画像ではちょっとわかりにくいが、オレンジ色で示したように、Windows も選択できるようになっているので、最後にした設定が、ちゃんと反映されていることがわかる。
    このように一番上の行が白く選択された状態で「Enter」キーを押すか、そのままにしておくと、Linux を立ち上げるためにカーネルがデバイスを認識したり、ソフトウエアの設定をしていく有様が黒地に白い文字となってスクロールして行き、突然画面がカラーに切り替わる。
  12. 間もなくこのようなダイアログが現れるので、インストールのときに設定した「ユーザ名」に続いて、その「パスワード」も入力する。ちなみに初期設定では、ここから「root」で入ることは出来ない。
  13. それが合っていれば、見事「GNME」デスクトップが現れる。

    インストールの成功だ。
    おめでとう!!!

 しかし、喜ぶのはまだ早かった。初めてこのデスクトップが現れた時に、なんだかとても不細工に見えた。アイコンが馬鹿でかい。文字がにじんでる。『なんだ、こんなものか。』と、ちょっとがっかりしてしまったのだが、それには裏があったのである。

<続く>

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