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パソコンの部屋

その14 4代目の引退

2014.03.12
更新 2014.03.21
Tux
購入直後の4代目

画面真っ暗

 2008年6月9日に購入した、我が家の4代目パソコン。その性能の良さ(我が家比)に喜んでいたのだが、購入後約2年半にして早くも重大な故障を起こした。
 2011年1月30日、朝食の片付けを終えた私は、コタツの上のそのPC(パソコン)の電源を入れてログインし、メールチェックから始まるいつもの作業を始めようとしていた。そのとき、そのコタツの中に入っていた我が家の猫のうちの一匹が外に出たがっているようだったので、私はそれを手助けするために自分が座っているコタツ掛けの端を少し持ち上げてやった。そしてパソコンの画面に向き直ったのだが、それは先ほどまで見えていたプログラムのウインドウではなく、完全に真っ暗の画面だった・・・
『あれ? さっき電源を入れたばかりなのに?』
 私は節電のため、PCを一定の時間放置していると、画面の電源が自動的に切れたり、PC全体が休止状態になるような設定をしている。しかし、AC電源使用時のその時間は30分とか1時間で、放置してからまだ1分も経っていないし、マウスを動かしても画面の電源が入らず真っ暗なままだ。これは今までになかった現象だ。
『変だな・・・』
 そう思った私は、Powerボタンを長押ししてシャットダウンさせてから再び起動させてみたが、いつもなら最初に現われるはずのパスワード入力画面がいつまでたっても現われない。これはWindowsXPを起動する前の段階なので、問題がやや深刻であることがわかってきた。
 「それならば」とまた再起動させてパスワードを入力し、真っ暗なままの画面を手探り状態で、Ubuntu というOSを起動してみた。すると、起動のときの音楽はいつものように鳴ったが画面は真っ暗なままだった。
『こりゃ、ハードウエアの故障だな』
 と思った私は、パソコンの電源を切ると、現在使っていないデスクトップPCのCRTモニターを持って来てパソコン本体につなぎ、両方の電源を順番に入れてみた。するとやはり最初の画面は現われなかったが、真っ暗な画面を手探り状態でWindowsXPを選択すると、そのデスクトップが見事そこに現われたではないか!
 私は早速、現在の症状についてネットで検索してみた。
 するとこれは、液晶かバックライトか、その両方のいずれかの故障であることがわかってきた。
 私はPCを再起動させると、故障した方のディスプレイに光がなるべく当たらないようにして、眼球がそこに触れるほど顔を近付けてみた。するとそこには、真っ先に現れるはずのパスワード入力画面が、ほんのうっすらとではあるが見えているではないか! ということは、液晶は生きているけどバックライトが壊れているということになる。しかし、これでは暗すぎて文字も画像もまともに読み取れないので使い物にならない。
 またまたネット検索だ。今度はまず、「バックライトの修理 金額」。するとそれは、安い新品のモバイルPCが買えるくらいになることがわかった。
 次は「バックライト 自分で交換」。すると、その事例は少しではあるがあることはあった。もちろん、修理に出すより安く上がるので、とにかくそれが実行可能なのかを知るために、故障箇所を分解してみることにした。
 まずパソコンをシャットダウンして電源アダプタのジャックを抜く。バッテリーは元からはずしてある。このノートPCの蓋内側にある画面の周囲には、何箇所かゴム製の突起がある。蓋を閉じたときの衝撃を和らげるためのものなのだろうが、今まで様々な家電製品をばらしてきた私は、ここでピーンときた。
『もしかして、この裏にネジがあるとか?』
ゴムの突起
赤い矢印がそれ。草に隠れて見えていないが、まだほかにもある。

 試しにその一つをマイナスのドライバーを使って取り除いてみると、思ったとおりネジの頭が現われた。
ノートパソコンのディスプレイの分解の始まり
現れたネジの頭。その横の「Ultrabright」という文字が、まるで現状を皮肉っているようだ。
その後ろに見えているのは、今回の助っ人であるCRTモニター。


 すべてのゴム突起を取り除き、プラスのドライバーでネジを全部取りはずす。そして再びマイナスのドライバーを、今度は蓋外側と内側の隙間に差し入れてひねり、それを何箇所か変えながら徐々に隙間を広げていった。すると、蓋内側のスクリーン周辺を覆っていた合成樹脂のカバーがはずれた。
スクリーン周辺のカバーをはずす
 今度はまたプラスのドライバーで、この周辺にあるネジをはずし、蓋の内側と外側をある程度分離させることに成功した。
蓋の内側と外側を分離する
蓋の内側と外側の間

 ここまで来るに至ったいずれの箇所も、目に見えている部分に限って結線の損傷がない。ということは、目に見えていない部分が損傷しているのだろう。この先を分解して修理する工具も部品も我が家にはない。上の画像で逆さまになっている「Don't Touch!」という文字は、正に「これ以上深入りするな!」と言っているようだった。
 私はあきらめてPCを元のように組み立てた。
 それなら、安価な外付けモニターを購入するという手がある。今回助っ人で使っているCRTモニターは前世紀の遺物であって、いつ故障してもおかしくないからだ。

外付けモニターの購入

iiYAMA Pro Lite E1706Sの主な力量
サイズ17インチ(対角43cm)
コントラスト比800:1(標準)、 ACR機能有
応答速度5ms(黒→白→黒)
輝度250cd/m2
解像度1280x1024(最大)
信号入力コネクタD-SUB ミニ15ピンコネクタ、DVI-D 24ピンコネクタ
スピーカー1W×2(アンプ付きステレオスピーカー)
消費電力20W(標準)
1W(パワーマネージメントモード)

 早速ネットの通販サイトを何箇所か調べまくって、性能と金額の折り合いが付くものを選んだ。それが、液晶モニター iiYAMA Pro Lite E1706S \11,025 だった。
 選んだ主な点は、デジタル入力に対応していること、消費電力が比較的低いこと、画面がノングレア(非光沢)である、そしてこの価格ということだった。
 グレア(光沢)というのは、スクリーンの表面が鏡のように光を反射する画面、その反対にノングレアというのは、表面が曇りガラスのようになっていて、光をそのまま反射しないタイプだ。現在使用のPCのモニターがグレアだったので、試しにノングレアを使ってみたかったからである。
 届いたのは2月9日。早速使ってみようと思い、電源コードをモニター本体にに差し込んでみたら、プラグのオスとメスの形がぴったり合っておらず、オスが根元まで入らない。なんだか安っぽいプラモデルみたいだ。
 しかもPCに接続して両者の電源を入れてみたら、パスワード入力画面もOS選択画面も現われない。この段階ではまだPCが認識していないのだろう。Windowsが起動して、初めてその画面が現われた。その色彩や鮮明度は、期待したほど良くなかったが悪くはない。この値段なんだから、まあ、こんなもんだろう。
 ところが、スクリーンの中左に一箇所赤い点がある。背景の色が変わるとその色も変わるが位置は変わらず、ネットで調べてみたら、「ドット落ち」とか「ドット抜け」という現象なのだそうだ。PCのモニターにはたまにあるそうだが、量販店の店頭のPCでは見たことないし(当たり前か・・・)、自分のPCのモニターにも今までなかったので、人生50有余年にして初めて見るものであった。
ドット抜け
ドット抜けの一例のシミュレーション。中央よりやや左上の小さな赤い点がそれだ。
 たった一箇所の小さなものだが、こういうことはあまり気分の良いものではない。しかし、『この値段なのだから、まあいいか・・・』と気持ちを静める私であった。
 残った問題は、停電の際に外付け画面に供給する電源がないので、PC本体のバッテリーだけでは役に立たない。これでは、実質デスクトップPCと同じだ。しかし、元々バッテリーはほとんど使っていなかったので、慣れてしまうとあまり不便さを感じなくなった。
 春から秋の天気の良い日には、このデスクトップみたいな構成にもかかわらず、電源のドラムを家の中から引っ張り、庭で作業をすることも多々あった。簡易式のベッドの上に机代わりの木箱を置いてその上にPCとモニターを置き、その横にビーチパラソルを立てて日除けをする。木箱の机の下には双眼鏡が置かれてあり、珍しい鳥が来たら眺めるという、なかなか楽しい環境だ。
 そして、月日はあっという間に流れて行った。

ファンの爆音と起動拒否

 2013年の春頃からだっただろうか、このPCから「ウォンウォンウォンウォンウォンウォ~~~ン」というすごい騒音が出るようになった。音源は、CPUを冷却するためのファンだ。これと同様の音はこのPCに始まったことではない。3台目が現役の末期の頃にも同じような音が出ていたのだ。
 その原因は大体わかっている。薪ストーブの使用によって舞い上がった灰をファンが吸い込み、それがファンの回転部分に侵入する。それは紙やすりのようにして回転部分を侵食し、軸と軸受けの間の隙間が広がる。そして軸に定期的なブレが生じ、その振動が大きな音となっているということが推測できる。
 私は騒音に耐えながら一ヶ月ほどを過ごした。
 ある朝、いつものようにPCを起動させるため電源ボタンを押したのだが、いつも真っ先に唸りを上げるはずのファンの音がしない。しかも、パスワードを入力して「Enter」キーを押すと、「ピーーー」というビープ音がしたではないか。まだ外付けモニターを認識していないので、もちろんそれは真っ暗だ。パスワードが間違っていたのかと思って再起動させ、今度は慎重に入力したのだが、また同じことが起きた。これも初めての現象だ。
 PC付属のモニターに顔を近付けて見ると、なにやら薄白い英文字がいっぱい表示されている。「WARNING!」という文字列だけはなんとか読み取れたが、あとは画面が暗すぎて読み取れなかった。しかし、今までの経験から、そこには「ファンが回転しないので起動できない」ということが書かれているのだろうと思った。言い変えれば、「冷却装置が働かないと、もっと大事な部分が壊れますよ」ということだろう。
 PCの電源を切って、電源アダプターのプラグを抜いた私は、それを裏返して裏蓋をはずしてみた。すると思ったとおり、ファンのプロペラにはびっしりと埃が付いていた。私はそれを取り除くと、ファンの電源の小さなプラグを一旦抜いてから元のように差し込んだ。一番簡単に事態を修復できるなら、ここの接触不良の解消だからだ。
 PCを元に戻して電源を入れると、果たしていつもと同じファンの爆音がした。ホッとした私は、今までどおりにPCを起動させた。
 そしてまた、月日は流れて行った。

キーボードを食いちぎられる

 この年の9月10日、私の寝床の中で猫が子を2匹産んだ。大変おめでたいことと喜んでいたのだが、この地方のこの時期に産まれる子猫は、大きくなるにつれて気温が下がってくるし天候も悪くなってくるので、風邪を引いたり肺炎にならないよう注意してやらなければならない。そのため、どうしても屋内で遊ばせることが多くなる。
 11月の半ば頃だったと思う。いつものようにコタツの上に置いたPCで作業をしていた私は、何かの用事で少しのあいだ席を空けた。しばらくしてから戻って来て、何気なくPCのキーボードを見た私の目は一瞬点になった。キーの一つが、はがれて転がっていたからだ。コタツに入ってよく見ると、それは「O(オー)」のキーだった。その近くのコタツがけの上では、生後2ヶ月過ぎの子猫2匹が盛んに遊んでいたので、きっとこの子らの仕業に違いない。しかし、めくれたところの中央を指の腹で強く押すと、文字の入力はなんとかできたので、『猫を室内で飼っていれば、こういうことはつき物』と思い、別に腹は立たなかった。ただ、今後は必ずPCの蓋を閉めてから席を立つことにした。
 それから1週間か10日後だっただろうか。やはり何かの用事で席を立って戻ってみると、またキーがはがされていた。今度は「I」だ。ついうっかりしていて、蓋を閉めるのを忘れていたのだ。マルと名付けていた白黒の子猫が、急いでPCから離れた。その後、私の目の前でキーをかじろうとしたこともあった。とすると、前回もこの子の仕業だろう。私は、『今までこの室内で何匹もの子猫を育ててきたが、こんなことは初めてだ。』と思うようになった。
 それから数日後、またうっかりしていたら、今度は「J」と「F」をやられた。しかも、キーボードの中央部がかすかに盛り上がっている。私の場合アルコールが入ると、どうもこの「うっかり」をやってしまうようだ。
子猫に食いちぎられたキーボード
 これではPCが余りにも可哀想だ。しかし我が家にはUSBキーボードがあるので、いよいよというときはそれを使えばよい。そのためこの時点では、まだこのPCを修理するとか新しいのを買うとかいう発想には至らなかった。

無線通信装置の故障

 我が家のように複数のPCがある場合、LAN(ローカルエリアネットワーク)は不可欠だ。また、ADSLモデムからPCにデータを送る際にもLANの機能に頼っている。いずれも有線でもいいのだが、我が家の猫の居住空間では無線にしている。なぜなら、子猫たちがLANのケーブルを好んでかじるからだ。感電すれば死亡することもあるAC電源コードはかじらず、こっちを標的にするのは本能的なものなのか、それともかじりやすいからなのか、それはわからない。
 しかしいずれにせよ、それによってケーブルが断線した場合、いちいち町まで車を走らせ、材質と構造の割には高価なそれを買わなければならぬことを思えば、最初から無線にしておくと、その害は未然に防げるというわけだ。
 ところが!
 12月10日頃のことだったと思う。その朝、いつものようにPCの電源を入れ(モニターは待機電源にしてある)、メールチェックなどの一連の作業をしようとしたのだが、なぜかいつまでたってもネットにつながらなかった。
 我が家のADSLモデムとPCの間に入っている無線LANルータ(電源入れっぱなし)は、IPアドレスの振り方が変になることが多く、PCの電源を入れてもすぐネットにつながらない。そのときは、PCのWebブラウザで無線LANルータの設定画面にアクセスし、設定を再起動させるとIPアドレスが再取得・配分され、ADSLモデムがPCとつながり、インターネットにつながるのである。
 ところが今回の症状では、その方法を何度か繰り返してもつながらない。よく見ると、ポインテイングデバイス(ノートPCでマウスの役目をするもの)の下のインジケーターの中で、無線通信装置の電源ONを示す青いランプが消えている。変だと思い、「コントロールパネル」-->「システム」-->「デバイスマネージャ」-->「ネットワークアダプター」と開いてゆき、無線LANデバイスの「プロパティ」を開くと、「このデバイスは正常に動作しています。」と表示されており、異常は見当たらなかった。
 ということは、デバイスは自体は正常だが、それ以外の部分に異常が生じているということだ。その中で一番可能性が高いのは、アンテナの故障だ。なぜなら、私がPCの蓋を閉めて席を離れて帰って来ると、よくその蓋の上に子猫の足跡が着いている。家の中と外を自由に行き来している猫たちの足の裏には土や水が付いており、長時間家の中にいたとき以外は、そのような足跡が着くのである。ところがこの蓋の上部には、無線LAN用のアンテナが収納されており、この上でドスンドスンと暴れれば、それは断線してもおかしくないのだ・・・きっとそうなのだろう・・・
 私は、バックライトの故障のときのようにして、また蓋を分解して修理を試みることはもうしなかった。なぜなら、次に述べるような決定的なことが目前に迫っていたからだ。

Windows XP のサポート終了と消費税増税

 長年慣れ親しんできたWindows XP。一旦はサポート期間を延長したものの、それがついに2014年4月9日に終了することになっている。これは前々からわかっていたことではあったが、それがもうすぐそこまで迫っているということに、これであらためて気付かせられた。私の場合こんなことでもなければ、サポート終了が過ぎてもずるずると使い続け、お買い得な製品を逃したり、ウイルスに感染するなどといったドジを踏む可能性が大いにあるのだ。
 しかも、消費税が5%から8%に増税されるのが2014年4月1日。そのため、「新しいのを買うなら今だニャン!」と猫が教えてくれたと、前向きに考えることにしたのである。

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