我が家の南10畳の部屋には床の間がある。まだこの家に入居する前の改修工事期間中、ここの土壁に横に亀裂が入っているのを発見した。この家を借りることになったその半年前には、この亀裂はなかったので、この間に生じたのだ。
その亀裂は、この部分の壁の貫きを支えている柱が、何らかの原因で下がったことにより生じたのだろう。その原因を究明し、修復しなければならない。私はまず、外の通風孔から縁の下を覗いて見た。すると・・・
囲炉裏の部屋から居間、仏間、南10畳の部屋にかけて、なんと巨大な池があった。ただの水溜りなのだろうが、暗闇の中にたたずむその光景はちょっと不気味だった。いずれにしても家の下にそのようなものがあっては、湿気で床を支えている木材が腐食しやすくなるので家のために良くない。管理人のKさんに聞いたら、南の池の水位を下げれば、縁の下のその水は引くとのこと。早速実行する。
水が引いたので、縁の下に潜ることが出来るようになった。
まず、床の間の床を苦心してこじ開ける。すると、やはり柱の根元がかなり腐っているのが見えた。その部分が柱にかかっている荷重のために潰れた分、柱全体が下がったのだ。この柱の外壁は、トタン波板で覆われていたのだが、屋根から落ちる雨水でそれが腐食して穴が開き、そこから侵入した雨水が柱に掛かって、長い年月の間徐々に腐食していったのだろう。そして、近頃私が家の中を歩き回った振動で腐食した部分が一挙に潰れたのに違いない。
私は、早速その柱の修理に取り掛かった。