母屋のまん前に僅かながら群生していたのだが、毎年気づかずに刈っていた。この実が付いているのを発見してからは、刈るのをやめた。
この実の中に、本当の真ん丸い実が入っている。この画像はまだ熟していない時点の物だが、もっと赤くなってきたら、それを摘んで指でよく揉む。すると、硬かった実は柔らかくなり、中の種と汁が出しやすくなる。房が付いていた穴から爪楊枝などを駆使してそれを穿り出し、中を水できれいに洗い、口でふっと息を吹き込むと、真ん丸い風船のようになる。これを口の中に入れてギュッギュッと音を立てて遊んだ経験のある方もおられるだろう。
今となってはそのような遊びはしなくなったが、この実を見ていると、そんな遠い日々の記憶が甦ってきて、とても懐かしい気分になる。
うっかり次の年の分を残さず乱獲してしまったため、2005年に減少、2007年に絶滅。
しぜん 客間