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だいどころ

鯵の天竺漬

2004.02.10
2010.01.27. 更新

鯵  この地方の海では鯵が比較的よく釣れるし、150円も出せば1週間や10日はもつほどの量の鯵や鯖が買えるのが嬉しい。これらを南蛮漬にすれば、ある程度の保存がきく。しかし、「南蛮」という言葉は、本来あまり良い言葉ではないし、私が作る漬け汁はいわゆるカレー味なので、そう呼ぶのにふさわしくない。そこで、「天竺漬(てんじくづけ)」と名付けた。天竺とはインドの古称だ。
 内蔵、鰓、「ぜんご」という鯵特有の棘などは、最初は律儀に取り除いていたのだが、最近では面倒なのでそれを省略した。すると、こと鯵に関しては内臓が入っていたほうが美味いことに気がついた。調理時間も約半分に短縮される。

 2003年3月、当時6歳の息子が我が家に遊びに来た。
 外で雪合戦をしたり、息子の好きな化石の画像をパソコンでダウンロードしたりしているうちに、腹が減ってきた。
 「腹減ってこないか?」と息子に聞いたら、
 「うん、とっても腹減ってきた。」との返事。
 炬燵から出て薪ストーブを熱くする。急遽食べられるのが、プロセスチーズと漬物と鯵の天竺漬だ。チーズは彼の好物なので問題ない。漬物は「いらない」とのこと。最後は息子にとっては未知との遭遇だ。私は少し遠回しに尋ねた。
 「鯵の南蛮漬好きか?」
 「何それ?」
 「魚の鯵って知ってるよな。あれを唐揚げにして、酢と醤油と唐辛子に漬けたやつ。それのカレー味のがあるけど食べる?」
 息子はほんの少し考えていたが、とりあえず鯵の南蛮漬が大よそ何かはわかったようだ。
 「ああ、知ってる。鯵の南蛮漬好き。」
 それなら大丈夫だろう、とにかく出すだけ出してみよう。その前に、すぐ食べられるよう、メインディッシュのセッティングをしておく。まず薪ストーブの熾きを横の畳の上に置いた七輪に移し、その上に夕方昆布を仕込んでおいた鍋を置く。最後に七輪を挟んで座布団を敷いて完了。
 私は台所でチーズを切り、体長7cm程の鯵の天竺漬と一緒に前菜として出し、食器や鍋の具と薬味などを運ぶ。息子は早速鯵に噛り付いたが、すぐに、
 「うーん、俺、これは硬とうて食べれんわ。」と言った。
 「硬てーのはここに出しな。」と、私は小皿を提供した。息子は食べたくない部分を小皿に出した。どうやら骨と鰓が、硬かったらしい。
 そのようなことがあるので、お子さんのいる家庭では、鯵の体長は6cm以下の物にすることをお勧めする。さもなければ、鰓と「ぜんご」は除去した方がいい。
 それでは、作り方をご紹介しよう。


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