その14で書いたように、我が家の現役PC4代目はボロボロになった。そのため、それに代わる5代目PCを購入することにした。
その発端となったのが2013年11月1日にA社から来た、同社が発売しているタブレット端末の宣伝e-メールだった。そのリンクをクリックして同社のWebサイトに飛んだ私は唖然とした。
『俺の知らないうちに、世の中こんなに進んでたのか?!』
それから数日後、どこかのサイトにM社のタブレット端末の広告が掲載されていたので、そこをクリックしてみた。飛んだ先のM社のサイトで調べてみると、現在私が使用しているソフトとの互換性があるので明らかにこちらの方が良い。価格もこちらの方が安い。
『さあ、買おうか!』
と思ってさらにくわしく調べてみると、音楽制作や動画編集などをしようと思えば、やはりちゃんとしたパソコンでなければならないことがわかってきた。しかも、停電が比較的多い我が家では、そのときにでも使用できるようにするため、バッテリー付きのPCでなければならなかった。
また、現在私が使用しているソフトのほとんどが Windows XP 用のものだ。そのため、それらを問題なく使用するには、Windows XP モード という機能を備えた、Windows 7 の中の Professional、Ultimate、Enterprise のいずれかのOSにする必要があった。Mac で言えば、OS X 10.3 に備わっていたClassic 環境 と同じようなものだ。
ということで、タブレット端末購入の夢は、はかなくも消え去った。M社のそのOSは、Windows 8 以降だったので。
PCに付いてくる有料ソフトの有無が、けっこう価格に影響してくる。「MSオフィス」の代用となるフリーソフトはダウンロードできるので、「オフィス」は要らないから価格は6万円以内に収めたかった。
とどめはハードウエアの中枢部分だ。
まず CPU 。これは Central Processing Unit の略で、人間の脳で言えば考える部分のことだ。この性能を表わす単位の数値が大きいほど、CPUの演算能力が速くなる。また、その数(コア数)が多ければ仕事を分散できるので、それだけ処理速度が速くなる。これは当然シングルコアではなくマルチにしたかった。せっかく新品を買うのだから、テクノロジーの最先端とまではいかなくとも、その片鱗を少しでも体感したかったので。
次はシステムメモリー。脳で言えば考えるための一時的な記憶をする部分のことで、その数値が大きいほどPCの作業速度が上がる。今までは 2GB であっぷあっぷしてたので 4GB はほしい。
そしてハードディスク。脳で言えば記憶をずっと保持しておくための部分のことで、各種ソフトウエアとそのデータはここに保存される。これは数値が大きいほど、その記憶できる量が多くなる。今までの 80GB で不自由はなかったが、どうせなら多い方がいいに決まっている。
と、限定したら、その対象がかなり絞られてきた。
その結果選んだのが、TOSHIBA dynabook Satellite B253 J(Windows(R)7 Professional搭載)。広告には「ビジネスノートPC」と銘打ってある。
結論から言えば、使いやすさの点では4代目の方が断然優れているが、総合的にはこちらの方がやはり優れていた。それでは、これからその比較結果を書いてみることにしよう。
2013年12月19日午後8時頃だっただろうか。発注していた商品が届いた。ノートPCを閉じた状態とあまり変わらぬそのコンパクトさに少し驚いた。量販店で買った4代目PCのときは、大きな箱に入っていたので。
さあ、久しぶりの新品PC! 我が家の5代目だ。ワクワクしながら梱包を開ける。
まず電源コードを接続するが、そのプラグがPCから5cmほども出ている。当時の我が家では、猫たちが毎日のように部屋の中で運動会をしていたので、『ここを踏まれたら折れ曲がってしまうよな』という恐怖に襲われた。4代目PCのこの部分はL字形になっており、こんなにとび出してはいなかったので。
いよいよノートPCのカバーを開ける・・・
『あれ? 開かない???』
カバーのどこにも手掛かりがなくてなかなか開かないのだ。4代目PCには、カバーのフロント中央に開閉ロックのスライド突起があり、それを横にずらしながら持ち上げれば簡単に開くようになっていた。カバーのロックがないということは、持ち運びの際に勝手に開いてしまうということもありえるではないか。
さっきまでのワクワク気分は、かなり減衰してきた・・・
気を取り直し、マニュアル片手にパワースイッチを押そうとしたが、これがなかなか押せない。4代目のそれに比べるとほとんど出っ張りがないからだ。これに慣れるのに1週間くらいかかったかな・・・
さあ、文字を入力しようとキーボードに触れるが、各キーの表面が完全に平らなので、指がすべって隣のキーを同時に押してしまう。4代目では各キーの中央が少しへこんでいたので、そのようなことはほとんどなかった。いわゆる人間工学というものだ。毎日長時間触れる部分だけに、細かいことではあるけれどもこの違いは大きい。
SDメモリーカードの装着では、我が家の4代目PCもデジカメもFAXも、カードを押し込むとカチッとロックされ、取り出すときはぐっと押し込むと、ロックがカチッと解除されて出てくるようになっている。ところが今度のPCでは、ただ挿して抜くだけなので、持ち運びの際に抜け落ちる可能性があるし、出っ張ってるもの大好きな我が家の猫のオモチャにされる可能性大だ。
ハードディスクへのアクセスを示すランプがない。4代目PCでは、これを見ながらデータのセーブをしたり、PCの応答が遅いときの動作の目安にしていたので、これがないと不安だ。
音が良くない! ノートPCに高音質を求めるのは酷というものだが、それにしても4代目の方がずっと良かった。それは、内蔵スピーカー自体の性能もあるのだろうが、その取り付け位置もかなり影響しているように思う。4代目ではアームレストの手前、つまりユーザーの耳に一番近い場所に、しかもユーザーの方を向いて付いている。ところが5代目では、キーボード群とモニターの間にあり、天井を向いて設置されている。そのため、なんだか遠くから聞こえてくるような、ぼよ~~んという音になっている。
アナログモデムがない!! 今まで私はFAXの送信をPCから行っていた。それだと紙を使わなくてすむので、文章をあれこれ修正しても、いちいち書き直して紙を無駄にしなくてすむ。ところがモデムがないと、それができない。USB接続のモデムも6,000円ほどで市販されているのだが、その価格では買う気になれない。
お次はWebカメラだ。Web会議はしないので初めはどうでも良かったのだが、これを使った「Active Display Off」という節電機能があることが、かなり後になってからわかった。この機能を有効にしておくと、モニターの上に付いているカメラの電源が一定時間ごとに入り、人の顔を感知しないとモニターの電源を切る。その後人の顔を感知すると、自動的に電源が入るというものだ。つまり、人がPCから離れている間はモニターの電源を自動的に切っておくという趣旨の機能だ。
これを有効にして実際に使ってみたのだが、ほとんど役に立たないことがわかった。このPCのモニターの特性だと、やや斜め下から見るのが最も鮮明に見える位置だ。そうすると、カメラは頭の上半分しか写しておらず、顔が感知されないのでモニターの電源が勝手に切れてしまう。それが約1分おきに訪れるのである。無理に感知させようとすれば、カメラの電源ランプが点灯したときにカメラに向かってぐーっと背伸びをするか、モニターを垂直に近い角度に立てなければならない。それか、用も無いのに何かのキーを押したりカーソルを動かしたりしなければならないのである。それならこの機能を無効にしておいて、PCを離れる前に手動でモニターの電源を切った方がずっと良い。
要するに、Webカメラはあっても使い道がないということ。それならそれを無くして、その分の価格を下げてほしかった。
極め付けは光学ドライブを開くとき。開くためのボタンの出っ張りが全く無いので、まずその場所を探し当て、それを爪の先で押し込まねばならない。これは何度やっても慣れず、いまだに一度では開けられないでいる。
このように、ハードウエアの面ではかなり不満があった。良かったと思ったのはテンキーの存在くらいだ。
このメーカーは日本有数の大企業なんだから、もっと他社の製品の長所を取り入れ、自社の製品を向上させてほしいものだ。
それでは次に、基本的な性能を比較してみよう。
主な力量の比較 | ||
---|---|---|
項目 | 4代目 (Gateway ML6018j2) | 5代目 (TOSHIBA dynabook Satellite B253 J) |
メーカー発売日 | 2008年4月16日 | 2013年7月16日 |
購入価格 | \69,800 | \58,811 |
CPU | Intel Celeron 550, 2GHz (コア数1) | Intel Core i3-3120M 2.50GHz (コア数2,スレッド数4) |
チップセット | Intel(R) GL960 | Mobyle Intel(R) HM76 Express |
System Memory | 512MB (のちに1536MBに増設) DDR2 PC2-5300、デュアルチャネル対応 | 4GB DDR3-1600 PC3-12800 SDRAM、デュアルチャネル対応 |
Video Memory | 最大 384MB(System Memory と共用) | 最大 783MB(System Memory と共用) |
グラフィックス・アクセラレータ | インテル X3100(チップセットに内臓) | インテル HD グラフィックス 4000(CPUに内蔵) |
LCD Monitor | 15.4型 WXGA TFT (1280×800) | 15.6型 HD FWXGA TFT (1366×768) |
Hard Disc (回転数/容量) | 5400rpm/80GB | 5400rpm/320GB |
光学ドライブ | スーパーマルチDVD±RW(DL対応) | スーパーマルチDVD±RW(DL対応) |
Webカメラ | なし | 約92万画素 |
Network | 10/100 Mbps Ethernet LAN IEEE802.11b/g Wiless LAN | 10/100/1000 Mbps Ethernet LAN IEEE802.11b/g/n Wiless LAN |
Modem | 56K ITU V.92対応FAX Modem | なし |
Medium Manager | xDピクチャーカード、SDメモリーカード メモリースティック、メモリースティックPro マルチメディアカード対応 | SDメモリーカード |
テンキー | なし | あり |
Port | USB2.0x4, VGAx1 | USB3.0x1, USB2.0x2, HDMIx1, VGAx1 |
Oprating System | Windows XP Home Edition | Windows 7 Professional(Windows 8 Pro ダウングレード) |
バッテリー駆動時間 | 約2.6時間 | 約2.6時間 |
消費電力 | 平均約20.35W | 標準約11W、最大約65W |
重量 | 2.8kg | 2.3kg |
たった5年3ヶ月という年月のあいだに、価格が約1万1千円も下がったのにもかかわらず、性能がこれだけ向上しているということは、消費者としてはまことに有り難いことだ。
これでワクワク気分が少し回復してきた。
次に、実際の能力の違いを比べてみよう。
ベンチマークテスト by CrystalMark 2004R3 [0.9.126.451] (C) 2001-2008 hiyohiyo | ||
---|---|---|
項目 | 4代目 | 5代目 |
Memory Read (MB/s) | 3005.14 | 11141.85 |
Memory Write (MB/s) | 1331.31 | 4667.28 |
Memory Read/Write (MB/s) | 1305.91 | 4265.41 |
HDD Read (MB/s) | 32.49 | 86.39 |
HDD Write (MB/s) | 33.65 | 71.51 |
このPCを購入してから2年余りして、ようやく念願のメモリー増設を行った。
2016年2月28日の午後、ネット通販で購入した Transcend 社の PC3L-12800 DDR3L 1600 4GB 1.35V (低電圧) - 1.5V 両対応 204pin SO-DIMM TS512MSK64W6H 2,936円(無期限保証、送料無料)が届く。早速取り付け、PCを起動して動作を確認。無事終了。
これによって動画編集など巨大ファイルを扱う作業がスムーズになり、転送速度も上がるはずだ。
早速ベンチマークテストを行ってみた。
ベンチマークテスト by CrystalMark 2004R3 [0.9.126.451] (C) 2001-2008 hiyohiyo | ||
---|---|---|
項目 | 5代目(メモリー4GB*1) | 5代目(メモリー4GB*2、デュアルチャンネル有効) |
Memory Read (MB/s) | 11141.85 | 17350.86 |
Memory Write (MB/s) | 4667.28 | 8575.83 |
Memory Read/Write (MB/s) | 4265.41 | 8534.30 |
HDD Read (MB/s) | 86.39 | 87.70 |
HDD Write (MB/s) | 71.51 | 75.14 |